海外で働く日本人美容師にインタビュー/Yumikoさん「Ark」スタイリスト
日本美容専門学校を卒業後、東京で美容師アシスタントとして2年半勤務、その後スタイリストとして東京で半年、地元茨城で2年働く。24歳でバンクーバーに渡航し、語学学校に3ヶ月通う、その後日系ヘアサロンArkで働き始める。
ものづくりやクリエイティブが得意な性格を活かして美容師の道へ進む。
Vansta:カナダに来ようと思ったきっかけは?
Yumiko:もともと海外で働くことに興味を持ったきっかけは20歳のとき東南アジアに旅をしたことでした。そのときに“発展途上の人々が一生懸命生きている国”の人の熱意にあつく心惹かれ“日本の美容の技術を伝えたい”と強く思いました。ただ当時は英語も現地語もしゃべれなかったので、そういった国で働くには言葉の壁が大きすぎたので、まずは英語学ぼうと思いました。そして賃金や生活面も考えた上でアメリカにも近いカナダに留学を決めました。
Vansta:バンクーバーでの生活はどうですか?
Yumiko:聞いていた通りすごく住みやすいし自然もたくさんあってカナダが好きだなって思います。とにかくこっちに来てから体調が良いことが嬉しいですね。湿度が少ないし、ストレスもないせいかもしれません。
Vansta:こちらでの就職活動は大変でしたか?
Yumiko:語学学校が終わった後すぐに仕事を探し始め、10日くらいで仕事が決まりました!職を探している期間は大変でしたが、実際の日数的には比較的、簡単でしたね。
Vansta:美容師の仕事ってそんな簡単に見つかるんですね。
Yumiko:いや、3日間くらい家にこもり1日20通くらいの履歴書を送りましたよ。その内、現地の美容院2件と日系2件から返事が来て、すぐ面接をしてくれることになりました。
Vansta:その4件の中でどうして今の職場を選んだんですか?
Yumiko:今の職場はほとんどの美容師が免貸しでやっているところなので、日本のようなチームプレイを必要としていない1人1人が独立した美容院なんです。その“自分のペースで気軽に仕事ができる”という点に魅力を感じ、今の職場を選びました。
Vansta:実際に働いてみて、どんな感じですか?
Yumiko:1日のほとんど予約で埋まってますね、今のところ、平均1日5人くらい担当しています。
Vansta:難しいことはありますか?
Yumiko:仕事内容は日本でやっていたこととそんなに変わらないんですが、やっぱり英語でつまづくことが結構あります。
最初は日系美容院なのでお客様も日本人だと思ってなめていましたが、お客様のほとんどがアジア人やカナダ人なので、コミュニケーションが一番苦労しています。
日常会話はできても、たとえば、「お湯は熱くないですか?」「荷物をお預かりします」「今日はどうされますか?」など普段日本で当たり前のように使っていたフレーズや、美容院で使う単語、たとえば毛先や刈上げなどちょっとした単語がわからずにつまづきました。
あとは、薬ですかね。色の出し方、時間の置き方、強さ等が日本の薬とは違うので扱いが難しいです。また、お客様が白人の方の場合、色の出方などが代わってしまい、違う薬で、黒髪でない人にパーマやカラーは難しいですね。
最初は現地のサロンで働きたいと思っていましたが、今は日系サロンで良かったなって思っています。日本人スタッフが何人かいるのでそういった薬の扱い方など日本語で説明してもらえるので助かっています。
Vansta:失敗談があれば、お聞かせください。
Yumiko:スタイリングをおまかせと言っていたお客様が、仕上がりが気に入らなかったらしく、文句を言われたことが一度あります。最初スタイルの希望を聞いて言葉だけでわかったと思っていても、やっぱり写真を見せて確認をしたり、どこまでブローをしたらいいかなど希望の確認や細かいカウンセリングが必要だと学ぶましたね。
Vansta:日本と比べてカナダで働くことの良さはなんだと思いますか?
Yumiko:勤務体系の大きな違い(ストレスがない)
日本だと自分だけの仕事をやるわけにはいかないので、朝早く来て掃除をしたり他の人の仕事を手伝ったり1日最低12時間は拘束されていました。(面接で勤務時間を聞くことはタブーだと思い、聞けませんでした。)そのため自由がないので心に余裕がなくなりストレスがたまる一方ですが、こっちは自分のペースで仕事ができるし休憩も好きな時間に取れて定時には終われるので自由が多いですね。
日本とカナダの美容院の勤務体系の違い
カナダ
- しがらみがない
- 人の助けを期待できない
- 残業がない(定時に仕事が終わる)
- 給料が良い(チップがある)
- 好きな時間に休憩がとれる
- 長期滞在できるチャンスがある
- ワークビザの希望があるか面接時に聞かれことが多かった
日本
- 上下関係
- 12時間以上拘束
- 残業が多い
- 働きづめで心に余裕がない
- チームワークが必要
- メンタルがきつくてやめる人が多い
- 順番に休憩(20分くらい)
Vansta:1番のやりがいはなんですか?
Yumiko:外国人のお客様を相手にすることです。
Vansta:どんな時にやりがいを感じますか?
Yumiko:日本人のお客様は仕上がりに満足していなくても何も言われないことが多いですが、こっちの人ははっきりしているのでフィードバックが分かりやすいですね。
満足されてるときは喜んでることをしっかり表現してくれ、良いことは良いとちゃんと伝えてくれますし、気に入らなかった場合もちゃんと伝えてくれるので“何がだめだったのか”“今後どうしたらよいか”など改善点がはっきりわかるので、自分のためになると思います。
Vansta:これからどうされたいですか?
Yumiko:今は現状で満足していますが、もう少し英語環境や薬などに慣れてきたら現地の美容院でチャレンジしてみたいなと考えています。
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