徹底解説!美容師としてカナダで永住権を取得するまでの流れ
カナダに住みたいけど、ビザがよくわからない。永住権はどうやって取るの?案外、知らない方が多いのではないでしょうか。バンスタではシチュエーション別に、わかりやすくご説明します。美容師さんで、よくある状況が下記ではないでしょうか。
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日本で美容師経験あり、ワーホリ使用可能な方の場合
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美容師経験者で、ワーホリ使用不可な方の場合
(カナダワーホリ使用済み、30才以上)
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美容未経験の方の場合
まずは、美容師経験のある方ついてのご説明から
①日本で美容師経験あり、ワーホリ使用可能な方の場合
例)語学学校→ワーホリ→就労ビザ→永住権
②美容師経験者で、ワーホリ使用不可な方の場合
語学学校→コープビザ取得可能な学校、またはポスグラビザ取得→(就労ビザ)→永住権
美容師としての経験がある方は、まれに観光で入国し、雇用主を見つけて就労ビザを出してもらったケースもありますが、基本的には、就労可能なビザ(ワーホリ、コープビザ、ポスグラビザ)を持って、そのビザが有効な期間中に雇用主に認めてもらい、就労ビザのサポートしてもらえるよう頼む必要があります。
費用をおさえたい場合は、6ヵ月以上のコープ付きのホスピタリティーやビジネスのコースを取り(コープの仕事は就学した分野でなければなりません)、6ヵ月以上の学生ビザを取得した場合 、週20時間(休暇中はフルタイム)までオフキャンパスで就労出来る資格(オフキャンパスワークパーミット)があるので、その期間に美容室で働き、経験と積むこともできます。
(注)オフキャンパスワークパーミットや、コープビザは、永住権申請時の就労経験には加算できませんが、ポスグラビザは加算対象です。
※Co-op work permit:
多くの専門学校のプログラムの中には、プログラムの一貫として就労経験が必須となっているものがあります。(ESLは含まれません。)学習した内容を実践に働いて経験を得ることができます。インターンシップ・プログラムやCo-opプログラムと呼ばれ、たくさんの留学生に選ばれています。
Co-opビザの必要事項
- 学生ビザの保有
- Co-opの就労はプログラムを修了するために必須であること
- Co-opがプログラムの一部である事を証明する学校からのレター
- Co-op就労の期間は、プログラム全体の50%を超えてはいけない
※Off-campus work permit:
カナダの就学ビザの保有者は、就学中に週20時間までアルバイトをすることができます。(休暇中はフルタイムOK)ちなみに、2014年6月1日の時点で、就労ビザを取得する必要がなくなりました。就学ビザに明記があるか確認しましょう。
※On-campus work permit:
就学ビザがあり、専門学校、大学にフルタイムで通っている場合は、キャンパス内で制限なく働くことができます。
※Working Holiday visa:ワーキングホリデー(ワーホリ)
1年間の就労、半年までの就学ができるビザで、本来は休暇を目的とした人に作られたプログラムです。日本国籍を保有していて、申請書受理時に18〜30才であることが、応募資格です。カナダと日本の協定の下、1年間の発行数に制限があります。
Co-op取得可能な美容学校について:
【私立】
Blanch McDonald
John Casablanca Institute
New Image
最長1年就学+1年コープ就労期間が可能
【公立】
Vancouver Community College
- 美容科(10ヵ月)
- エステ科(9ヵ月)
- コスメトロジー(2年)※美容とエステを組み合わせたもの
美容師、エステ科は就学時間と同等のポスグラ期間、
コスメトロジーは、最長の3年のポスグラの取得が可能
※post-graduation work permit:ポストグラジュエーションビザ(ポスグラ)
- 8ヵ月以上のプログラム
- フルタイムでの就学
- 公立、または公的資金が50%以上で運営されている大学、カレッジ
続いて美容経験が無い方のご説明
③美容未経験の方の場合
もし美容が未経験の場合は、美容学校に通い、就労ビザをサポートしてもらえる雇用主を見つけて、就労ビザを取得するか、卒業後にワーホリに切り替えて働く方法があります。
VCC(Vancouver Community College)のコスメトロジーのコースを取った場合、最長の3年のポスグラを取得でき、その間に雇用主を見つけ、美容師としての経験を1年すれば、永住権申請の最低条件を満たします。
語学学校について:
現地の美容院で働くために困らない程度の英語力を身につける
英語に自信がある人は学校行かないで、就労する
英語力の目安は?
日本人経営サロン:TOEIC 550 – 600
現地のサロン:TOEIC750 – 850
永住権の前準備として、IELTSやCELPIPハイスコア獲得を目指して勉強する
最低限でCLB5(IELTS:R4, W,L,S5, CELPIP5)が必要
エクスプレスエントリーでの得点が欲しければ、CLB7(IELTS:R,W,L,S6.0, CELPIP7)
言語は高ければ高いほど、永住権申請時に有利になる
ワーホリ:
ワーホリが有効な1年間のうちに、就労ビザのサポートをしてくれる雇用主を探す
自分をアピールして雇用主に認めてもらう
ワーホリ期間内にしておくこと
- サロンワーク(技術)や勤務態度(お客様の接客、常連客の有無、電話対応、英語レベル、遅刻の有無など)を日頃から雇用主は見ているので、いかにサロンに貢献し、ワークビザをサポートしてでも必要な存在と認めてもらうこと
- ワークの申請には雇用主に$1,000の申請料がかかり、ワークの申請書類にも時間がかかるので、雇用主も慎重に選ぶことを理解する
- 雇用主がワークのサポートをしてない場合、ワーホリがあるうちに他の雇用主を探す必要がある
ワーク:
就労ビザを取得して働く
外国人がカナダで就労する為には、原則としてカナダの就労ビザ(ワークパーミット)を取得する必要があります。多くの場合は、就労ビザを取得する為に雇用主からジョブオファーを取得し、それについてService Canada/ ESDC(カナダ労働省)からの承認を得る必要があります。この審査が、年々難しくなっていっています。
就労ビザの手順
- 雇用主にジョブオファーをもらう
- ESDC(カナダ労働省)のよるLMIA:Labor Market Impact Assessment(外国人雇用許可)が必要申請料$1000
【審査基準】
ポジション、能力、賃金、労働条件、カナダ人、移民の雇用努力(求人広告)、ジョブオファーの正当性、雇用主の適正
- ポジティブLMIAの発行
- CICカナダ移民局にポジティブLMIAを持って、就労ビザ申請(申請料$155)
- 就労ビザの発行
以前に外国人をサポートしたことのある雇用主の方が就労ビザに対しての理解が深い事が多いです。サポートしたことがない雇用主の場合でも、ワークのサポートに好意的の場合、コンサルタントに頼んだほうがスムーズに進むケースが多いです。
コンサルタントを利用するメリット
- 就労ビザに対するアドバイス
- 全ての書類の準備と申請
- 雇用主に代わってESDCと直接連絡が取れる
- 全ての必要書類、申請用紙について法的に介入し、代理者になれる
デメリット
- 申請料とは別にコンサルティング料がかかる(約$2,000〜)
永住権申請について:
美容師はスキルレベルBなので、どのカテゴリーでも申請可能
CEC:カナディアンエクスペリエンスクラス
FSW:フェデラルスキルドワーカー
PNP:プロビンシャルノミニープログラム
※その時のCICの申請期間や、申請条件と自分の能力に合わせてプログラムを選ぶ
NOC(National Occupation Classification) について
カナダ政府が定めている、職種の分類で、職種、仕事内容と共に、グループごとに分けられています。
http://www.cic.gc.ca/english/immigrate/skilled/noc.asp#find
例えば、スキルドワーカーで移民申請をしたい場合、このNOCスキルレベルが0, A, またはBでなければいけません。美容師はスキルレベルB に分類されます。
NOCスキルレベル
- スキルタイプ0:管理職
例:レストランマネージャー、船長、鉱長 - スキルレベルA:専門職(通常、学位が必要)
例:医者、歯医者、建築士 - スキルレベルB:技術、専門職(通常、専門学校卒業かトレーニングが必要)
例:美容師、シェフ、電気士、配管工 - スキルレベルC:中間職(通常、高校卒業以上)
例:長距離トラックドライバー、肉屋スタッフ、飲食系サーバー - スキルレベルD:労働職:
例:清掃員、オイル産業スタッフ、果物ピッキング
Express Entry: エクスプレスエントリー
2015年1月より導入された新しいシステムで、今まではCIC移民局が申請書の受取順に審査を開始していたが、このシステムからカナダで成功するスキルを持つ人の審査を優先して進めるというシステムです。
【申請条件】
-FSW
-FSTP
-CEC
-PNP(一部)
いずれかの申請条件を満たしていること
申請者は最初に、オンラインで自分のプロフィール(スキル、職歴、語学力、学歴、カナダの雇用主の有無)などを登録します。
※カナダの雇用主の有無は、LMIAかPNPのノミネーションレターが必要です
登録した人の中から移民局が優先順位を付け、順位の高い人から、移民局からITA(Invitation to Apply)という「永住権の申請をして良いですよ」というレターが届きます。このITAが無いと永住権申請はできません。
ランキングシステムは1200点満点で、カナダでの雇用主があると600点の加算になります。
※#14 8月7日の最新のドローイング
1,402件のITAが発行され、最低ラインは471ポイントでした。
Express Entry Comprehensive Ranking System:
エクスプレスエントリー申請者のコンプリへンシブランキングシステムの点数の概要
配偶者無し
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クリックして計算表を開く▼
クリックして計算表を閉じる▲
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※各カテゴリー、上限を超えた場合は上限がそのポイントとなります。
配偶者有り
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クリックして計算表を開く▼
クリックして計算表を閉じる▲
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※各カテゴリー、上限を超えた場合は上限がそのポイントとなります。
http://www.cic.gc.ca/english/express-entry/grid-crs.asp
CEC:カナディアンエクスペリエンスクラス
申請条件
カナダでの美容師の経験が過去3年のうちフルタイム(週30時間)1年以上(またはパートタイム同等)である場合
スキルレベル:NOC0, A, B以上
英語レベル:B の場合:CLB5以上(IELTS:R:4, W,L,S:5, CELPIP5)
教育:必須ではないが、EE(Express Entry)のポイントを稼ぐためには有利
日本の教育はEducation Credential Assessment: CICに認められた機関で査定してもらう必要あり
CECの申請自体にはジョブオファーはいらないが、ジョブオファーがないとEEで選ばれるのは難しい。
(最低ライン469ポイント)2015年7月現在
FSW: フェデラルスキルドワーカー
美容師として過去10年のうち1年以上フルタイムでの職歴(日本でも可)
英語CLB7以上(IELTS6, CELPIP7)
高校かそれ以上の学歴(日本の学歴の場合はECA教育査定機関に査定してもらう必要あり)
カナダでもうすでに働いていない場合は資金の証明
カナダのジョブオファーがあること
ポイントシステム(言語、学歴、職歴、年齢、雇用主有無、アダプタビリティ)で100点中67点以上あること
http://www.cic.gc.ca/english/immigrate/skilled/apply-factors.asp
PNP Express Entry BC:
※BCPNPは、BCPNPスキルドワーカーカテゴリー、及びExpress Entryストリームカテゴリーでの申請受付を一時停止 (2015年9月1日付)
PNP申請期間:約3-4ヵ月
BC州で選ばれた後、フェデラルCICでの審査に進む。
EE BC SW:エクスプレスエントリー、BCスキルドワーカー
FSWかCECの申請条件を満たしていること
EEにエントリーし、ファイルナンバーがあること
BC PNPの申請条件を満たしていること
スキルレベル0,A,Bの仕事
その仕事で最低限2年以上の職歴があること
フルタイムの仕事で雇用主からのジョブオファーがあること
ジョブオファーの内容
職業、仕事内容
給料
勤務時間数
役職が有効期限無しでフルタイム(通年、週30時間以上)であること
雇用主がサポートする資格があること
最低限、(個人の場合)年$21,895以上の収入があること(バンクーバーエリア)
申請方法
- 申請者、雇用主それぞれ申請書の記入
- PNPに提出、手数料$550を払う
- PNPが申請書の審査
- 承認されれば、PNPよりPRのノミネートされる。今度はCICのPRの申請をする。
Bridging open work pemit: ブリッジングオープンワークパーミット
永住権申請中に今のワークが4ヵ月以内に切れてしまう場合、ブリッジングオープンワークパーミットを申請できる。
【申請条件:】
カナダに居ること
4か月以内に今のワークが切れてしまう
もうすでにCICからの永住権受理証が送られている
申請書の記入
NOCコードによる美容師/理容師の仕事内容
※ジョブオファーには下記の仕事内容の多数が明記されていなければなりません。
NOC 6341 Hairstylists and barbers
美容師、理容師
美容師または理容師は、散髪とスタイリング、それに関連するサービスを提供します。美容室、理髪店、専門学校、医療施設、劇場、映画やテレビの撮影場所などで採用されています。
認められている職種例:
-理髪店見習い
-理容師
-美容師見習い
-美容師
-ヘアスタイリスト見習い
-ヘアスタイリスト
-サロンオペレーター
-カラーリスト
-ウィッグスタイリスト
主な仕事内容
この中の多数、または全てを満たすこと
美容師
-お客様の注文や好みに合わせたスタイルを提案
-カット、トリム、刈上げ、カール、ウエーブ、パーマ、スタイリング
-ブリーチ、カラー、ハイライト
-髪と頭皮の状態を分析して、アドバイスや治療法を提供
-ウィッグやヘアピースのお手入れ
-エクステンション
-シャンプーとすすぎ
-受付業務や商品の発注
-他のスタイリスト、見習い、ボランティアのトレーニング
理容師
-お客様の注文や好みに合わせたスタイルを提案
-カット、トリム、刈上げ
-口ひげ、あごひげ剃り、またはトリム
-髪と頭皮の状態を分析して、アドバイスや治療法を提供
-シャンプーとすすぎ
-受付業務や商品の発注
-他の理容師、見習い、ボランティアのトレーニング
雇用要件
美容師
-中等学校の教育が必要
-2、3年の美容学校、または見習いプログラムの卒業が必要とされます
-就労経験が数年ある場合で、学歴を免除できる場合もあります
-雇用主は、雇用の前に申請者の技術テストをします
-美容師資格
必要州:ノバスコシア、オンタリオ、マニトバ、サスカチュワン、アルバータ
不要州:ブリティッシュコロンビア、ニューファンドランド·ラブラドール、プリンスエドワード、ニューブランズウィック、ケベック、ユーコン、ノースウェストとヌナブト
-レッドシール認定はレッドシール試験合格後に発行されます
理髪店
-中等学校の教育が必要
-2年間の美容学校、または見習いプログラムの卒業が必要とされます
-就労経験が正式な教育の代わりになることもあります
-ブリティッシュコロンビアとユーコンは、必要ありません
-レッドシール認定はレッドシール試験合格後に発行されます
永住権を取得する方法の中でも一番早いとされている、マニトバPNPの情報もご参考ください。
職種を問わず、マニトバでの6ヶ月の就労で、参加資格を得る事が出来ます。
以上、カナダに永住したい美容師さんへの情報でしたが、永住権を獲得する為のプロセスは多岐に渡ります。
より詳しいご案内、ご質問はお問い合せよりお気軽にご連絡下さい。